母の日イメージ

外国人留学生が祝ってくれる母の日

姉夫婦には子どもがいません。
義兄も姉も子ども好きだったため、姉が妊娠しにくい体質であるとわかってから、不妊治療を始めました。
姉は仕事を辞めて、本格的に不妊治療に取り組みましたが、願いはかなわず、数年後、子どもは諦めることにしたという話を聞きました。
その後姉夫婦は、子ども部屋になるはずだった部屋を改装し、本棚と机、ベッドを置いて、ホームステイを希望する外国人留学生の受け入れを始めました。
最初に受け入れたのはマレーシア人の女の子で、日本語は片言でしたが、明るくて、日本の文化を一生懸命学ぼうとするかわいい子でした。
一緒に料理をしたり、買い物に行ったり、宿題を見てあげたり、姉とその留学生の女の子はとても仲良くなり、まるで母娘のように見えました。
そんなある日、留学生の彼女が、姉にカーネーションとカードをプレゼントしてくれたそうです。
世間は母の日。
子どもを持たないという決断をした姉は、母の日なんて、自分には一生縁のない日だと思いこんでいたので、日本のお母さんへ、いつもありがとう、と書かれたカードを見て、思わず泣いてしまったと言っていました。
突然泣き出した姉にびっくりしたと思いますが、子どもがいない理由を薄々感じていたのでしょう。
留学期間が終わって、自分の国に帰ってからも、毎年、母の日にカードを送ってくれるのだそうです。
姉夫婦は、その後も留学生の受け入れを続けています。
家族や友だちと遠く離れて、文化や習慣の異なる言葉も不自由な国で、日本語や日本文化を学んでいる留学生にとって、姉はとても頼りになる存在なのだと思います。
ホストマザーとして、優しく、時に厳しく留学生をサポートしている姉を心から尊敬しています。
自分の子どもを持つことはできなかった姉ですが、たくさんの留学生から、大好きな日本のお母さん、と慕われている様子を見ていると、血のつながりだけが家族じゃないという気になります。
不妊治療をしていた期間のことを姉はあまり話したがりません。
きっと、思い出したくないくらい苦しい日々たったのでしょう。
また、子どもが大好きで、何人でも産みたいと言っていた姉にとって、不妊治療をやめるというのは、とても厳しい決断だったに違いありません。
そんな辛い経験を乗り越えて、外国人留学生たちの日本の母となって頑張っている姉は私の誇りです。
そして、母の日は自分には関係ないと思っていた姉に、カーネーションをプレゼントしてくれた留学生のことも私は一生忘れないと思います。

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